2013年4月19日金曜日

>°) バスの視野(視界)について(2)





“バスの頭上を見た時”
に限った視界、視野のお話をします。

魚の上を見上げた時の視野角は、およそ100度といわれています。
そして、これが水中から水面の上、つまり空や陸を見る場合は、“光の屈折”によって見える範囲がさらに広くなります。



 
この屈折によって見えることができる角度を、“屈折角”といいます。
上のイラストの水面より上のピンク部分もバスの視界には入っています。

また、この屈折角はバスのいる水深によって変化します。



深い場所では屈折角が小さく水深が浅くなるにつれその角度はだんだん大きくなり、水平近くまで角度は大きくなり、水上のモノはほとんど視界に入るようになります。




そして、さらにバスが水面に近づくと、一転して屈折角がなくなり、次は水面が鏡状態になり、水上のモノは見えずに水中が映るようになります。“全反射”という現象です。

頻繁に虫などの餌が水面に落ちてくる木の下で、複数匹の高活性のバスが待っている場合などを除き、外敵のほとんどが水上にいるバスは水面が鏡状の全反射になる位置でサスペンドしていることはまずありません。

しかし、バスのサスペンド位置によってはアングラーが極端に低い姿勢をとれば、アングラーからこの全反射状態にもっていくことは可能です。

しかし、極端に低い姿勢で釣りをするのは現実的ではないですね。ですが、全反射という現象を頭においておくと役に立つことがあると思います。




いずれにせよ、水中のバスには水上の様子はほとんど見えています。



バスの視力は個体差もありますが、およそ0.1〜0.2程度といわれ、遠くのモノを見て、そのモノを識別するのは得意ではありません。しかし、ぼんやりとでも見えているモノでも“不自然に動くモノ”には一定の注意をはらいます。

太陽の位置にもよりますが、往々にして水中の様子は護岸の上段などの高い位置からの方がよく見えます。

護岸の水面から高く、遠い位置のアングラーもバスの視界にはしっかりと入っていますので距離が離れているからとはいえ油断はできません。



“風が吹いたら釣れる”、よく聞く言葉です。実際、風が吹くとバスの活性に変化があらわれる場合が多いです。これは風で水面や岸際で水が撹拌され水中の含有酸素量が増えるからや、プランクトンや小さなベイトが流されるからバスの活性が上がるなどと言われます。

しかし、風の影響でバスの活性に変化が生じるのは様々な複合した要因があります。

波だった水面を通しては外敵がバスを見つけにくくなることでバスの警戒心が弱まる、そしてバス自身も水上のモノが見にくくなり、同時に大きかった視覚への依存の比重が側線などの他器官へ移ることによってアングラーが見つかりにくくなることも大きな要因だと思います。

“風”というのは人間が感じる自然現象ですが、風自体は大気の気圧差によって生じる二次的現象です。

バスは通常人間が感じることのできない気圧の変化を敏感に感じとります。極端に言えば、バスは風が吹く前に風が吹くことがわかっていると思います。大きく脱線しそうですので、風に関することはまた別の機会にお話したいと思います。



バスの水上を見上げる視界は、水面の状態に影響されます

雨や風で水面が波だっている時は人間が水中を見にくいと同様にバスも水上が見えにくいです。
言い換えれば、アングラーとバスは同条件です。

アングラーが風で見えにくいながらもバスを発見したのであれば、そのバスも見えにくいながらもそのアングラーを発見している可能性があるということです。常に注意が必要であることに変わりはありません。



いずれにしてもバスの頭上の見える範囲が大変広いことを把握しておくのは大切なことです。
では、バスの“水上のモノがほとんど見える視野の範囲”の中で、アングラーがバスに気づかれずにその見えるバスをどう釣るのか、そしてなぜ釣れるのか。

次回はバスの水中での見える範囲と見えない死角についてお話したいと思います。

2013年4月13日土曜日

>°) バスの視野(視界)について(1)





見えバスを釣る、つまりサイトフィッシング。サイトフィッシングは得意な人と苦手な人がいると思います。このサイトフィッシングが得意な人と苦手な人にはどんな違いがあるのでしょうか。

実は、ルアーをキャストする前に釣れるか釣れないかは決まっているのかも知れません。。


フィールドでバスを見つけた瞬間に考えることとして、以下のようなものがあります。

①バスの位置(レンジ、ショアからの距離 etc…)
②バスの向いている方向
③バスの挙動
④バスの大きさ
⑤バスの数
⑥風(方向、強さ)
⑦カレント(方向、強さ)
⑧太陽の位置
⑨ベイト(種類、状態、数 etc…)
⑩水の状態

⑪ルアーの選択(種類、カラー、大きさ)
⑫ルアーのアクション
⑬ルアーアクションのタイミング
⑭ルアーのキャストポイント
⑮キャストのタイミング
⑯ルアーの着水音
⑰ルアーのレンジ、トレースコース(フォーリングでバイトさせる場合は除く)
⑱ライン(バスとの位置関係、メンディング、浮かせるか沈めるか etc…)

⑲アングラーの立ち位置
⑳立ち位置へのアプローチ方法


など

サイトフィッシングではいずれも大切なものばかりです。


は今アングラーの目の前にある原則的に不変の状況、はその状況を踏まえてアングラーが選択、決定する可変のものです。

そして、その中でもはどのような状況であれ注意しなければならないものです。サイトフィッシングでもっとも大切なこと、それは“バスに気づかれない”ことです。がそれにあたります。



スポーニング時や激しいチェイスのときを除いて、アングラーの存在に「気づいている」、そのバスを釣ることは特にそれが大きな個体の場合は不可能に近いです。

バスに「気づかれる」とは、"見て"気づかれる、"物音で"気づかれる、"振動で"気づかれる、"影で"気づかれる、"他の生き物(亀や蛙、鳥など)に気づかれ"バスにも気づかれる…などのパターンがあります。



まず、"見て"気づかれること。
これを防ぐにはバスの視界、視野の範囲を把握することが必要です。

眼を持った生き物には、モノが“見える角度(範囲)”があります。これを“視野角”といいます。

バスの水中での視野は、およそ330度の範囲が見えます。人間は上下およそ125度、左右およそ200度といわれていますから、バスのそれは随分と広いことがわかります。



この続きはちょっと長くなるので、次回にしますね。



 
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