2013年4月19日金曜日
>°) バスの視野(視界)について(2)
“バスの頭上を見た時”に限った視界、視野のお話をします。
魚の上を見上げた時の視野角は、およそ100度といわれています。
そして、これが水中から水面の上、つまり空や陸を見る場合は、“光の屈折”によって見える範囲がさらに広くなります。
この屈折によって見えることができる角度を、“屈折角”といいます。
上のイラストの水面より上のピンク部分もバスの視界には入っています。
また、この屈折角はバスのいる水深によって変化します。
深い場所では屈折角が小さく、水深が浅くなるにつれその角度はだんだん大きくなり、水平近くまで角度は大きくなり、水上のモノはほとんど視界に入るようになります。
そして、さらにバスが水面に近づくと、一転して屈折角がなくなり、次は水面が鏡状態になり、水上のモノは見えずに水中が映るようになります。“全反射”という現象です。
頻繁に虫などの餌が水面に落ちてくる木の下で、複数匹の高活性のバスが待っている場合などを除き、外敵のほとんどが水上にいるバスは水面が鏡状の全反射になる位置でサスペンドしていることはまずありません。
しかし、バスのサスペンド位置によってはアングラーが極端に低い姿勢をとれば、アングラーからこの全反射状態にもっていくことは可能です。
しかし、極端に低い姿勢で釣りをするのは現実的ではないですね。ですが、全反射という現象を頭においておくと役に立つことがあると思います。
いずれにせよ、水中のバスには水上の様子はほとんど見えています。
バスの視力は個体差もありますが、およそ0.1〜0.2程度といわれ、遠くのモノを見て、そのモノを識別するのは得意ではありません。しかし、ぼんやりとでも見えているモノでも“不自然に動くモノ”には一定の注意をはらいます。
太陽の位置にもよりますが、往々にして水中の様子は護岸の上段などの高い位置からの方がよく見えます。
護岸の水面から高く、遠い位置のアングラーもバスの視界にはしっかりと入っていますので距離が離れているからとはいえ油断はできません。
“風が吹いたら釣れる”、よく聞く言葉です。実際、風が吹くとバスの活性に変化があらわれる場合が多いです。これは風で水面や岸際で水が撹拌され水中の含有酸素量が増えるからや、プランクトンや小さなベイトが流されるからバスの活性が上がるなどと言われます。
しかし、風の影響でバスの活性に変化が生じるのは様々な複合した要因があります。
波だった水面を通しては外敵がバスを見つけにくくなることでバスの警戒心が弱まる、そしてバス自身も水上のモノが見にくくなり、同時に大きかった視覚への依存の比重が側線などの他器官へ移ることによってアングラーが見つかりにくくなることも大きな要因だと思います。
“風”というのは人間が感じる自然現象ですが、風自体は大気の気圧差によって生じる二次的現象です。
バスは通常人間が感じることのできない気圧の変化を敏感に感じとります。極端に言えば、バスは風が吹く前に風が吹くことがわかっていると思います。大きく脱線しそうですので、風に関することはまた別の機会にお話したいと思います。
バスの水上を見上げる視界は、水面の状態に影響されます。
雨や風で水面が波だっている時は人間が水中を見にくいと同様にバスも水上が見えにくいです。
言い換えれば、アングラーとバスは同条件です。
アングラーが風で見えにくいながらもバスを発見したのであれば、そのバスも見えにくいながらもそのアングラーを発見している可能性があるということです。常に注意が必要であることに変わりはありません。
いずれにしてもバスの頭上の見える範囲が大変広いことを把握しておくのは大切なことです。
では、バスの“水上のモノがほとんど見える視野の範囲”の中で、アングラーがバスに気づかれずにその見えるバスをどう釣るのか、そしてなぜ釣れるのか。
次回はバスの水中での見える範囲と見えない死角についてお話したいと思います。
2013年4月13日土曜日
>°) バスの視野(視界)について(1)
見えバスを釣る、つまりサイトフィッシング。サイトフィッシングは得意な人と苦手な人がいると思います。このサイトフィッシングが得意な人と苦手な人にはどんな違いがあるのでしょうか。
実は、ルアーをキャストする前に釣れるか釣れないかは決まっているのかも知れません。。
フィールドでバスを見つけた瞬間に考えることとして、以下のようなものがあります。
①バスの位置(レンジ、ショアからの距離 etc…)
②バスの向いている方向
③バスの挙動
④バスの大きさ
⑤バスの数
⑥風(方向、強さ)
⑦カレント(方向、強さ)
⑧太陽の位置
⑨ベイト(種類、状態、数 etc…)
⑩水の状態
⑪ルアーの選択(種類、カラー、大きさ)
⑫ルアーのアクション
⑬ルアーアクションのタイミング
⑭ルアーのキャストポイント
⑮キャストのタイミング
⑯ルアーの着水音
⑰ルアーのレンジ、トレースコース(フォーリングでバイトさせる場合は除く)
⑱ライン(バスとの位置関係、メンディング、浮かせるか沈めるか etc…)
⑲アングラーの立ち位置
⑳立ち位置へのアプローチ方法
など
サイトフィッシングではいずれも大切なものばかりです。
①〜⑩は今アングラーの目の前にある原則的に不変の状況、⑪〜⑳はその状況を踏まえてアングラーが選択、決定する可変のものです。
そして、その中でも⑲と⑳はどのような状況であれ注意しなければならないものです。サイトフィッシングでもっとも大切なこと、それは“バスに気づかれない”ことです。⑲と⑳がそれにあたります。
スポーニング時や激しいチェイスのときを除いて、アングラーの存在に「気づいている」、そのバスを釣ることは特にそれが大きな個体の場合は不可能に近いです。
バスに「気づかれる」とは、"見て"気づかれる、"物音で"気づかれる、"振動で"気づかれる、"影で"気づかれる、"他の生き物(亀や蛙、鳥など)に気づかれ"バスにも気づかれる…などのパターンがあります。
まず、"見て"気づかれること。
これを防ぐにはバスの視界、視野の範囲を把握することが必要です。
眼を持った生き物には、モノが“見える角度(範囲)”があります。これを“視野角”といいます。
バスの水中での視野は、およそ330度の範囲が見えます。人間は上下およそ125度、左右およそ200度といわれていますから、バスのそれは随分と広いことがわかります。
この続きはちょっと長くなるので、次回にしますね。
2013年3月27日水曜日
>°) シャンシャン釣りで注意するポイント
今回は前回お話した、「シャッドのシャンシャン」釣りでの注意点についてです。通常、バスのルアーフィッシングで、特に大きな固体に対して、“糸鳴り”は禁物です。
小さなバスは、糸鳴りをさほど気にせず、逆に寄ってくる場合があります。しかし、シャンシャン釣りは”冬のシャローでの釣り”です。おのずと体が大きく、経験値の高いバスが相手になります。
シャンシャン釣りのアクションは、若干“糸鳴り”をともないやすい釣りですが、糸鳴りは“できるだけ”抑えるようにアクションした方がよいです。“できるだけ”としたのは、この時期のバスは他シーズンのバスより感覚が鈍っているからです。
※この釣りはロッドポジションが高いために、ラインの水への入射角が高くなります。そのため、ルアーのレンジもそう深くならないため、ラインが水に浸っている部分は比較的少い。糸なりの影響は少ないため、この釣りに関しては、ハイシーズンの時ほど過敏にならなくても大丈夫です。
糸鳴りを防ぐには、ラインスラッグがある状態からラインを弾くのではなく、ラインスラッグをとって、しかしルアーはほぼ動いていない状態からラインを弾きます。糸鳴りがでないように意識してアクションしていると徐々にコツはつかめると思います。
そして、それより注意したいのは次の2点です。
ひとつは、ルアーが水面を割って飛び出さないようにすること。
ティムコのレッドペッパーやOSPベントミノーなどに代表される、ボイルなど高活性時に有効なルアーは表層をイレギュラーにダートさせ、時折水面を割ることは一連の流れで有効なルアーアクションです。しかし、水面直下以深がレギュラーレンジのルアーは、ルアーが急に水面を割ると、それについてきたバスは踵(きびす)を返し去っていきます。
シャンシャン釣りの場合、キャスト直後の高いロッド位置でアクションを続けていると、ルアーレンジはどんどん浅くなってきます。そのままアクションを続けていると、ルアーは水面を割ってしまいます。徐々にロッド位置を低くしてルアーをコントロールし、絶対に水面を割らないようにします。
次にアングラーの立ち位置です。
シャンシャン釣りの場合、アクションを続けてルアーが近づいてくると、ルアーのすぐ後ろにゆっくりついてくるバスが見えることがあります。バスアングラーがこのバスに気づいた時は、すでにルアーは水面近くで、自分にも近い位置まできています。
この時、「バスがルアーを見ている視線の先に、アングラーが立っている」という位置関係になりやすい訳です。感覚の鈍った冬バスもさすがに視線の先にロッドを構え、「シャン、シャン」している人間を見れば姿を消します。
コレを解決する1つの手段は、ロッドポジション。限界はありますがバスとルアーとアングラーの位置が一直線にならないよう、ロッドポジションを傾けるのもひとつの方法です。
ロッドポジションを傾けることでアングラーは“バスの視線の延長線上”からははずれます。しかし、バスはルアーを注視しているとはいえ、アングラーは“バスの視界”には入ってしまっているので、アングラーは、決して大きな動きや素早い動きをしないことが大切です。
そしてそれより有効な方法は、ルアーとアングラーの間にそのフィールドに元からある何かをはさむこと。それはアングラーの姿が全部隠れるほど大きなモノでなくて構いません。背の高い草や、はたまた杭や立て看板とかでも構いません。
バスは、自分の回遊ルートの陸に“元々あるモノ”を記憶しています。
夏場などバッタやセミなどの虫を捕食している時は、それらが落ちてくるフィーディングスポットとして、水辺の背の高い草や木々を記憶しています。その記憶のモノの大きさが多少変わっていたとしてもさほど違和感を感じません。大きく素早い動きをしなければバスに警戒されない可能性が高いです。
そして変な表現ですが、経験値の高いバスは回遊ルートの陸に“ないモノ”も記憶しています。
例えば、護岸の取水パイプ横にある階段。そこには普段は何もないと記憶しています。
そして、そこにたまに現れる細長い棒の付いた物体は自分たちに危害をくわえる“危険な人間”であると学習し、記憶しています。たとえ、階段にあるそれが人間でなく背の高い大きな荷物であってもバスは警戒します。逆にそこに何もなければ警戒心は薄れます。
よって、元からそのフィールドに”あるモノ”の横からキャストすることは、大きなバスを手にするには有効な手段です。これは、シャンシャン釣りに限らず、バス釣り全般に言えることです。
次回は、バスの視界について書きたいと思います。
2013年3月17日日曜日
>°) シャッドのシャンシャン釣り
冬の定番ルアーに、シャッドプラグがあります。
主に使われるのはサスペンドタイプやフローティングタイプ。
これらの基本的な使い方は、キレのあるジャークやトゥイッチアクションをつけ、間にロングポーズをいれる。
または、とても小さなトゥイッチを小刻みに繰り返しロングポーズをいれる。小魚が痙攣しているようなアクションをさせる訳ですね。
いずれも肝は、ロングポーズ(ステイ)です。
フィールドのタイプとルアーの潜行能力にもよりますが、これは冬でもフィーディングを意識した体力のあるバスを攻略する方法です。
また、深場に落ちたフィーディング意識のないバスにも、シャッドのキャロライナリグでそのバスのレンジにルアーを送り込み同様のアクションでリアクションバイトを誘うこともできます。
ここでご紹介するシャッドのシャンシャン釣りは、前者のフィーディングを意識したバスを対象にした釣りです。
フィーディングを意識した体力のあるバスとて、冬の低水温時は動くスピードのみならず、すべての感覚(機能)が鈍っています。
側線での感知能力、聴覚、嗅覚、視覚、触覚…。さらに、僕の感覚では彼らは判断力や危険察知力も鈍っています。(視覚の鈍りは正確には、側線や聴覚など他の器官で感知したモノを目で捕捉する行動に移すまでの反応が鈍るということです。視力低下のことではありません。)
また、“体力をできるだけ消耗したくない冬のバス”は、吸い込む力もできるだけ小さく抑えたい、そして食べたモノを体内で消化するカロリー消費もできるだけ抑えたいため、早く動くモノや大きなモノより、ゆっくりもしくは停止したモノ、そして比較的小さなモノを優先に口にしようとします。
このことから、冬のシャッドの基本的な使い方は非常に理にかなっています。
小さいシャッドの“アクション”で、五感の鈍った動きの極めて遅いバスにルアーの存在を気付かせ、“ロングポーズ”で待ってあげるということです。
しかし、それはやはり“小さな”シャッドです。シルエットも小さく、水を押す力も強くありません。キレのあるアクションでも、五感の鈍ったバスに気づいてもらうのは容易ではありません。
そこで、シャンシャン釣りです。
フィーディングに上がってくるシャローでの釣り方です。
ラトル入りのシャッドをキャスト後し、そのエリアに合った任意の深さまでルアーを潜らせ、ロッドの位置を高く構え、ラインを弾くようにトゥイッチを繰り返します。
※アクション開始時、水面と足場が近い場合は、両手をバンザイするくらい高いロッドポジションから始めます。
この時、“糸鳴り”は極力抑えるようにします。
ルアーはバスの目線、もしくは目線より上のレンジを引いてくるようにします。シャッドを水中でドッグウォークさせるイメージです。この時のルアーの移動距離は極めて短いです。
ただ、ルアーが近づいてくるとだんだんレンジが上がり水面を割ってしましますので、徐々にロッド位置を低くしてルアーの位置をコントロールし、絶対に水面を割らないようにします。
無風の時など静かな状況では、ルアーが自分に近くに寄ってくると、「シャン、シャン、シャン」や「ジャラッ、ジャラッ、ジャラッ」と常時ラトル音を出しながら首を振っているのが確認できると思います。
小さいシャッドながら、アクションに加え、音でもその存在をアピールし気付かせ、動きの遅い冬バスでも十分追いつくことのできるスピードで口を使わせる釣りです。
僕がもっとも多投するシャッドは、ラッキークラフトの「ベビーシャッド60SP」と「ベビーシャッド50SP」。
ベビーシャッドのラトルはグラスビーズで、このアクションでのラトル音は「シャン、シャン、シャン」と比較的高い音を発します。これがシャンシャン釣りと呼んでいる理由です。
ベビーシャッドのラトル音は周波数が高いので、人間に聞こえる音量ほどバスには聞こえていません。しかし、所有のシャッドの中では群を抜いて実績の高いルアーです。バスには効く音質、音量なのかも知れません。
次回は一般の釣り方にも共通する、シャンシャン釣りでの注意するポイントについてお話します。
2013年3月14日木曜日
>°) メタルバイブレーションでの冬の釣り(リトルマックスのフック交換2)
さて前回、リトルマックスはすべてフックを交換して使用していると書きましたが、実際に、ぼくがリトルマックスに使用していて、(現段階で)一番シックリきているフックをご紹介したいと思います。
フロントフックにVANHOOKの「DW-31R」、
そして、リアフックにCultivaの「SD-36」です。
フロントのDW-31Rはいわゆる赤針ですね。
これはテッパンにかかわらず、僕は多くのルアーのフロントフック、もしくはフロントフックをつなぐスプリットリングは赤いモノに替えています。
フックを赤にするか、スプリットリングを赤にするかは、そのルアーを使う上でのアクションスピードによって決めています。
ジャークベイトなどスローなアクションや長めのポーズをとるルアーの場合は、スプリットリングだけ赤に、クランクベイトなど比較的スピーディーでタダ引きのような連続アクションをさせるルアーの場合にはフック自体を赤にしています。
つまりバイトマーカーです。
バスは赤くて比較的小さなモノに興味をしめし、口で触るようについばんでくることは事実ですが、普通のシルバーやブラックの針と赤針とのバイト数の差がいかほどかは定かではありません。
ただ、いずれのルアーにせよ、赤針や赤スプリットリングに交換してから、リアフック一本のフッキングが減ったのは確かです。ずっとこの方法で釣ってきているので信用しています。
このVANHOOKのDW-31Rは強度はほどほど(純正よりは強い)ですが、シャンクが純正と同等に長く、かかりも良いので使っています。
そしてリアのCultivaのSD-36は、強度が申し分ないのと、シャンクが短いこととゲイブが若干深いことが選択理由です。
針掛かりを考えるとシャンクは長い方が有利なのですが、テッパンのリフト&フォールやバタフライ釣法ではフックへのライン絡みのトラブルが起こりやすいので、その軽減策としてこのシャンクが短めのSD-36を使用しています。
色がマットシルバーであるのは、僕がリトルマックスのビッグバイトチャートやコットンキャンディーといった、白系をよく使うので、その同系色として使用しています。しかし、バタフライ釣法の場合はリアフックの色はあまり釣果に関係ないと思います。
いずれのフックも純正ダブルフックより針と針の間隔が広いので、フック交換の原因となったバラシはかなり減りました。
これはバタフライ釣法によってバスのバイトが深くなったことも大きな要因だと思います。感覚値で、交換前はバラシ率が30〜40%に対して、今では控えめにみても10%もバラしていない感じです。
左から「純正フック」「DW-31」「SD-36」。針と針の間隔の差は歴然。
フックの番手に関しては、それぞれのルアーの重さ、大きさによって違います。
僕の場合はフロントフックは純正フックにもっとも近い番手に交換し、リアフックは純正フックと同等か、それより番手をひとつ下げた小さいモノに交換しています。
以上が現段階での僕の理想とするテッパンの替えフックのお話ですが、今のフックもストレスがまったくない訳ではありません。今後、更にシックリくるフックに出会った時は、再度ご紹介します。
フロントフックにVANHOOKの「DW-31R」、
そして、リアフックにCultivaの「SD-36」です。
フロントのDW-31Rはいわゆる赤針ですね。
これはテッパンにかかわらず、僕は多くのルアーのフロントフック、もしくはフロントフックをつなぐスプリットリングは赤いモノに替えています。
フックを赤にするか、スプリットリングを赤にするかは、そのルアーを使う上でのアクションスピードによって決めています。
ジャークベイトなどスローなアクションや長めのポーズをとるルアーの場合は、スプリットリングだけ赤に、クランクベイトなど比較的スピーディーでタダ引きのような連続アクションをさせるルアーの場合にはフック自体を赤にしています。
つまりバイトマーカーです。
バスは赤くて比較的小さなモノに興味をしめし、口で触るようについばんでくることは事実ですが、普通のシルバーやブラックの針と赤針とのバイト数の差がいかほどかは定かではありません。
ただ、いずれのルアーにせよ、赤針や赤スプリットリングに交換してから、リアフック一本のフッキングが減ったのは確かです。ずっとこの方法で釣ってきているので信用しています。
このVANHOOKのDW-31Rは強度はほどほど(純正よりは強い)ですが、シャンクが純正と同等に長く、かかりも良いので使っています。
そしてリアのCultivaのSD-36は、強度が申し分ないのと、シャンクが短いこととゲイブが若干深いことが選択理由です。
針掛かりを考えるとシャンクは長い方が有利なのですが、テッパンのリフト&フォールやバタフライ釣法ではフックへのライン絡みのトラブルが起こりやすいので、その軽減策としてこのシャンクが短めのSD-36を使用しています。
色がマットシルバーであるのは、僕がリトルマックスのビッグバイトチャートやコットンキャンディーといった、白系をよく使うので、その同系色として使用しています。しかし、バタフライ釣法の場合はリアフックの色はあまり釣果に関係ないと思います。
いずれのフックも純正ダブルフックより針と針の間隔が広いので、フック交換の原因となったバラシはかなり減りました。
これはバタフライ釣法によってバスのバイトが深くなったことも大きな要因だと思います。感覚値で、交換前はバラシ率が30〜40%に対して、今では控えめにみても10%もバラしていない感じです。
左から「純正フック」「DW-31」「SD-36」。針と針の間隔の差は歴然。
フックの番手に関しては、それぞれのルアーの重さ、大きさによって違います。
僕の場合はフロントフックは純正フックにもっとも近い番手に交換し、リアフックは純正フックと同等か、それより番手をひとつ下げた小さいモノに交換しています。
以上が現段階での僕の理想とするテッパンの替えフックのお話ですが、今のフックもストレスがまったくない訳ではありません。今後、更にシックリくるフックに出会った時は、再度ご紹介します。
2013年3月8日金曜日
>°) メタルバイブレーションでの冬の釣り(リトルマックスのフック交換1)
今日は、リトルマックスのフック交換についてお話します。
みなさんの中にもメタルバイブレーションに、大なり小なりのフックチューンを施されている人は多いと思います。一般的なメタルバイブレーションのフックチューンといえばトレブルフックへの交換でしょうか。
中にはフロントフックの番手を上げ、リアフックは外してしまう、はたまたリアにはフェザーフックやティンセルを装着するという方もおられるのではないでしょうか。
僕は昔、リトルマックスはフック交換しないで購入したままを使用していました。
その頃は前回お話したバタフライ釣法もやっておらず、リフト&フォールの釣りだけをやっていました。(その頃はタダ引きさえもしていませんでした。)
それでもよく釣れました。
ただ、バラシが多いことと、根がかりを回収するとダブルフックのゲイブが広がったり、股が広がることにストレスを感じていました。
そんな折、たまに行く野池が減水しており、メタルバイブレーションのバーチカルなリフト&フォールが大当たりしたことがあり、そこで大きなバスを掛け、慎重に寄せてきたものの手元でフックアウトし、バラしたことがありました。
回収したリトルマックスを見ると、リアフックの片方の針がほぼ一直線に伸びていました。
その日、そのバスに至るまで、およそ3時間の間に45〜49cmを5本と同クラスサイズのバスを4本フックアウトしていたので、フックが金属疲労を起こしていたかも知れません。
しかし、最後のバスは自己更新していたであろうバスだっただけに、随分悔しい思いをしました。
まず、純正のダブルフックでバラシが多いのは、ダブルフックの針と針の間隔が狭いことが大きな要因だと思われます。
これはリフト&フォールでのフックへのライン絡みを極力抑える意図があると思われますが、フック間隔が狭いと、どちらか一本にフッキングする場合は、物理的におのずと浅掛かりになりますし、二本の針がフッキングする場合は力点が分散されるので同様に貫通力が弱くなっていまいます。
で、この浅掛かりを払拭すべく、貫通性の高い線径(ワイヤー径)の細いフックを採用したのだと思います。
あと、純正フックは比較的シャンクが長いです。これもフッキングを良くするための仕様でしょう。しかし、この線径(ワイヤー径)の細さが仇となって針の伸びや股の広がりの原因となってしまっている訳です。
その日以来、リトルマックスはすべてフック交換して使うようになりました。
僕の場合はバタフライ釣法を多用するので、ライン絡みが増えそうなトレブルフックの使用はせずに、双方のダブルフックを他のダブルフックと交換する方法をとっています。
次回は、実際に使用しているフックをご紹介しますね。
2013年3月1日金曜日
>°) メタルバイブレーションでの冬の釣り バタフライ釣法3(タックル編)
前回のメタルバイブレーションの、バタフライ釣法のタックルのお話です。
メタルバイブレーションのバタフライ釣法の最大の欠点は、フックへのライン絡みです。つまり、“エビ”になりやすいのです。
フックにラインが絡むとまったく釣れませんし、回収時にルアーが回転し、強い糸ヨレが発生してしまいます。
リアフックのライン絡みは、強く何度かシャクると外れることがありますが、フロントフックのライン絡みはまず外れません。このライン絡みを極力軽減させる肝はラインの選択です。
例えば、リトルマックスの1/2ozの場合、エバーグリーンのHPでの推奨ラインは12lbとありますが、バタフライ釣法ではフロロカーボンの16〜20lbを使って下さい。
つまり、ルアーに対してオーバースペックな太く張りのあるラインを使って、トップウォーターゲームでいう“からまん棒”の代わりにします。また、太いラインの方が潜行速度がおそいので、ルアーをより広角にフォーリングさせることができます。
しかし、ラインを太くするのはメリットだけではありません。フィールドによっては致命的なデメリットがあります。
それは、ラインを太くすると飛距離を犠牲にしてしまうということです。
太いラインを使ったがために、いつものフィールドのバスポジションにルアーが届かないのであれば本末転倒です。しかし、もしそうでなければ、多少の飛距離を犠牲にしてもおすすめしたい釣り方です。
当然、この釣り方のためだけにリールのラインを巻き替えることは非現実的ですので、今使っているラインに合わせた重さのルアーを用意する方が良いですね。例えば、12lbを巻いている場合はリトルマックスの1/4〜3/8ozを使うと良いでしょう。
ちなみに、PEラインを使用する場合で、リーダーを使わないルアー直結の時はフックのライン絡みのトラブルが多発します。
しかし、張りのあるフロロリーダーのラインシステムを組めば、トラブルは減ります。
そして、PEラインのその低伸縮性からシャクる時にルアーを非常にシャープに立ち上げることができ、ボトムの様子も手に取るようにわかります。
加え、PEラインは水より比重が軽いので上にルアーを跳ね上げるこの釣りには適しています。
また、バタフライ釣法は重めのルアーを常時シャクるので、結束は電車結びなどよりFGノットなど、強いノットにした方が安心でしょう。リーダーは1ヒロの長さがあれば十分です。
試したことはないのですが、ナイロンラインは張りがなくしなやかなので、ライン絡みやルアーの立ち上がりを考えると、このバタフライ釣法には不向きでないかと思います。
ロッドは、ルアーを立ち上がり良く、素早く上方向へウォブリングさせたいので、長めのMHクラス以上が適しています。素早くウォブリングさせられるロッドであればテーパーは問いませんが、おのずとレギュラーテーパーかファストテーパーになると思います。
Hクラス以上の張りのあるロッドは、ルアーの動きにキレがでますが、バイト後のやり取り時の身切れによるバラしの確率が高くなります。よって、若干慎重に取り込む必要があるでしょう。
いずれにしても使い慣れた、疲れにくいロッドが良いでしょう。
リールも、ロッド同様に使い慣れたもので構いませんが、ギア比の高いリールの方が連続アクションをするこの釣りには適しています。
最後に、リトルマックスはそのoz(重さ)によってウォブリングのピッチが違います。
ozが軽くなるほどピッチは細かくなり立ち上がりも早く、重くなればピッチも立ち上がりもその逆となります。よって、シャクり時の同じ1回の「ブリッ」でもozによって、リフト距離が変わり、比例してフォール距離も変わってきます。つまり、ozによって攻める「帯」の太さが変わってくるわけです。
できれば、いろいろ試されて、みなさんのフィールドに合ったタックルバランスを見つけてみてください。
2013年2月16日土曜日
>°) メタルバイブレーションでの冬の釣り バタフライ釣法2(アクション編)
メタルバイブレーションのバタフライ釣法。
その、具体的なアクション方法について説明します。
ここでは僕がもっとも多投するリトルマックス1/2ozを例にお話します。
僕がリトルマックスを多投する最大の理由はそのフォーリングの挙動にあります。
スライドフォールの角度が広く、その方向とそしてスピードが良い意味で一定でなく、まっすぐストンと落ちたり、時としてスパイラルフォールまでします。
このリトルマックスをキャストし着底させ、フロロラインが水になじむ前にロッドを高い位置に構え、10時から11時の方向に弾くように強めにシャクります。
するとルアーのウォブリング波動が手元に伝わります。
その波動を1〜2回「ブリッ」もしくは「ブリブリッ」と感じたつぎの瞬間にはティップを素早く10時に戻し、ルアーを完全フリーフォールさせます。
そして、ルアーが着底する前(リフトした距離分)に再度ラインを弾く感じで同様のシャクリを入れ、これを繰り返します。
シャクり始めのルアーを跳ね上げる一瞬だけ力を入れ、シャクりの後半からフリーフォールまでは力を抜きます。よって、見た目ほど疲れる釣りではありません。
ロンググリップのロッドの場合、グリップエンドを肘に当てながらアクションすると楽です。
感覚ではルアーが常にボトム付近を、蝶々が「ヒラッ、ヒラッ、ヒラッ、ヒラッ」と優雅に一箇所で舞っている様なイメージでアクションさせます。
当然、ルアーは次第に自分の立ち位置に戻ってくるのですが、イメージでは移動距離を極力短く、一箇所をピンポイントで攻めるような感覚です。
メバリングをやっている方なら、ラパラのアイスジグをイメージしてもらえば良いです。
引っ張ってくるのは一方向の「線」ですが、都度々々、あらぬ方向に広角フォールしてくれるのでフォローしているのは、おのずと「面」「帯」となります。
バスの目線から上部をイレギュラーに上下左右の立体的動きをする物体は、彼らを異常に、かつ瞬時にイライラさせる何かがあるようです。
これは真冬のドン深の釣りだけでなく、シーズン問わず、シャローに回遊してくるバスにも同様の反応があります。
バスのそのアタリは明確で急に重くなったり、派手に引ったくられたりしますので、アワセは神経質になる必要はありません。
もし、アタリがあったけど乗らなかったという場合は、単純にバス側のバイトミスです。すぐに同じ所にキャストして再度バタフライをしてみてください。
アタックしてきたバスはまだイライラしながらルアーを探しているはずです。まだそのバスがそこにいれば、高確率でそのバスが再びバイトしてきます。
また、シャクるのに疲れた場合はそのまま、ラインを張らず弛めずでルアーをボトムに着底させていてください。その間もそこにバスがいれば、その横たわったルアーをずっと見て(意識して)います。
当然、次にシャクりはじめる時はバイトチャンスですし、そして、ボトムにペタっと横たわった薄っぺらいメタルバイブレーションにさえもバイトすることもよくありますので、休みながらもアタリには注意していてください。
次回はバタフライ釣法のタックルについてお話します。
2013年1月31日木曜日
>°) メタルバイブレーションでの冬の釣り バタフライ釣法1
毎日寒いですね。
僕の地元フィールド東播野池も、朝一番はガイドが凍る日が続いています。
さて、みなさんはこの季節、フィールドにどんなルアーを持っていかれますか?
バイブレーション、メタルバイブレーション、メタルジグ、シャッド、フットボールジグ、ダウンショットリグ、はたまた北岸シャローでのトップウォーター…。
僕は上のルアーはすべて持っていきますが、今シーズン、特に一番キャスト数が多いのはメタルバイブレーションとシャッドです。
今日は、このメタルバイブレーションの僕なりの使い方をお話します。
リトルマックス、フラッピンソニック、サスケ、ノッキンジョー…、各社各々のコンセプトで独自のルアーをリリースしています。中でも、僕のもっとも多投するメタルバイブレーションはエバーグリーンのリトルマックスです。
メタルバイブレーションはタダ引き、リフト&フォールそしてストップ&ゴー、これらがもっとも一般的なアクションですね。
タダ引きはボトムを感じながら、もしくはボトムを若干切りながらの「線の釣り」、リフト&フォールはバスの鼻先にピンポイントでルアーを落とす「点の釣り」です。 ※シーズン始めはリフト時のバイトも比較的多いですね。
タダ引きの「線の釣り」
リフト&フォールの「点の釣り」
シーズン真っ只中のバスポジションが底ベッタリの時は、彼らは極力身体を動かそうとはしません。よって、この釣りはルアーを遠投し、エリアを扇状に切って“バスのコタツ”を探っていく必要があります。
メタルバイブレーションがバスの“鼻先”を通過もしくは落下、そして跳ねた時にのみ口を使う“可能性がある”というなんともシビアな釣りです。フィッシングプレッシャーが非常に高い時は鼻先に急に現れた異物にさえ反応しません。
加え、仮にメタルバイブレーションを彼らの鼻先に送り込み、見事口を使わせることに成功したとしても、それはエサを捕食する(虫バイトは除く)強い“吸い込みバイト”ではありません。
人間でいう“モノをつかむ”に近い、吸い込む力の弱い“くわえるバイト”であるがため、フックのかかりは浅く、冬のバスは魚体を反転させる抵抗もしないので、他のフックに追い掛けすることもままなりません。
やり取りやタックルバランスが悪いとバラシにつながる可能性の高い釣りでもあります。
しかし、例外がひとつあります。
それはバスのポジションが絞り込めている極々小規模な野池での、長時間リフト&フォール。
ひたすらメタルバイブレーションを、そのポジションでリフト&フォールを繰り返すと、プレッシャーから鼻先をかすめるメタルバイブレーションに頑として反応しなかったバスも、あまりのしつこさに怒り出し、一転、急にメタルバイブレーションを追いかけて、強い吸い込みでバイトすることがあります。
通常、真冬のメタルバイブレーションバスは、バイト後は暴れることもなく、棒のようにまたは身体を曲げたままスーっと寄ってくるのですが、この怒りバイトのバスは、バイト直後はなかなかの抵抗をみせます。
しかし、強い吸い込みバイトがゆえ、比較的フックの掛かりは深く、メタルバイブレーションを丸呑みの場合もあり、バラすことは稀です。
前段が長くなりましたが、
メタルバイブレーションのバタフライ釣法とは、この強い怒りバイトを短時間で誘うアクションです。
通常のタダ引きや、リフト&フォールと同じように、いつものエリアを扇状に探っていくのですが、それらの「線の釣り」と「点の釣り」ではなく、バタフライ釣法は「面の釣り」正確には「帯の釣り」です。
しかも、鼻先へのピンポイントプレゼンテーションとシビアなものではなく、短い距離ながらバス自らがルアーへアタックしてくれる効率の良い釣りです。
バタフライ釣法の「帯の釣り」
次回は、具体的なアクション方法について、お話しします。
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